センターの歴史

ワイン科学研究センターは、果実酒を専門に研究するわが国唯一の研究機関として、昭和22年 (1947) 年、山梨大学工学部の前身である山梨工業専門学校に、附属発酵研究所として設置され、昭和25年 (1950) 、学制改革に伴って山梨大学工学部附属発酵化学研究施設と改称された。発足当時は、山梨県の特産品であるワインの品質向上を目的として、ワインに関する微生物学的並びに醸造学的な基礎研究を地域と密着して行ってきた。その後を改組を行い、平成12年度から発酵化学研究施設を廃止し、ワイン科学研究センターを新設した。わが国のワイン産業の発展に伴い、現在は世界的視野に立ち、先端的な細胞工学あるいは遺伝子工学技術を駆使した基盤研究から最新のブドウ栽培並びにワイン醸造の実用研究までを包括する研究センターになっている。

事項
昭和22年
1947
当時の大蔵大臣だった石橋湛山氏(後に内閣総理大臣)が産婆役を務め、山梨工業専門学校応用化学科の中に「醗酵研究所」として誕生。設置の目的は、山梨県の特産ブドウを原料としたブドウ酒の改良、並びにブドウ酒以外の果実酒全般の研究および関係各種酒類の研究を進め、優良品を海外輸出に発展させ、我が国の復興の一助とすること。
昭和24年
1949
山梨大学が創立。
醗酵研究所も大学附属の研究機関として引き継がれる。
昭和25年
1950
山梨大学工学部附属醗酵科学研究施設となる。 有力者が資金調達を行い、旧陸軍甲府第六三部隊将校集会所の木造建物に357坪の研究室、 ワイン工場、地下恒温装置付貯蔵庫、ブランデー蒸留室、アルコール発酵および蒸留工場、倉庫等を敷設し、 電子顕微鏡などを配置し、研究設備が充実。東京大学農学部の坂口謹一郎博士、朝井勇宣博士、 大蔵省醸造試験所長の山田正一博士など、一流の研究者のバックアップを受け、活性化。
昭和47年
1972
地上3階地下1階の鉄筋コンクリート製の建物に改修され、さらに最新の醸造設備やブランデー蒸留器などに更新。ブドウ畑となる附属育種試験地が設置され、原料ブドウに関する研究も本格化。
平成18年
2006
「ワイン人材生涯養成拠点」事業が、平成18年度科学技術振興調整費<地域再生人材創出拠点の形成>に採択。山梨県、地域ワイナリーとのパートナーシップを基に、ワイン人材を生涯にわたって養成する拠点を構築。地元のニーズを反映させたブドウ栽培からワイン醸造、将来的には経営学までを視野に入れた実学中心のカリキュラムを作成し、人材養成を行うとともに地域産業の活性化を目指す。対象者はワイナリー技術者と修士課程。「ワイン科学士」の認定制度などを決定。
平成18年
2006
ワイン科学特別教育プログラムの発足。学部・修士課程の一貫教育によるワイン科学教育を開始。
平成20年
2008
山梨大学大学院医学工学総合研究部附属ワイン科学研究センター。
平成24年
2012
生命環境学部創立に伴い、ワイン科学特別教育プログラムを見直し、地域食物科学科内に「ワイン科学特別コース」を設置。
平成28年
2016
Oenoviti internationalに所属