山梨大学醗酵研究所 研究報告[1254年-1997年]
JOURNAL OF THE INSTITUTE OF
ENOLOGY AND VITICULTURE

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vol.7 (1972)
「ブドウ酒発酵中の酵母について (第5報)各分離株菌の性質(Ⅲ)」
Dynamic Aspect of Yeast-flora during Vinous Fermentation
 Part 5. Characteristics of Identified Strains (III)
小原巌,野々村英夫,湯目英郎 
Yuwao OHARA, Hideo NONOMURA, and Hideo YUNOME (Received 10 May 1960)
pp.1-6[PDF]
 In the preceeding paper part 3, we isolated many strains of yeasts from grape musts, in which there were five strains difficult to identify with any hitherto known species. These five strains were isolated from the early stage of the ferm entation and considered to be a members which had not the so large populations in the musts.
 This paper describes the further details of their taxonomic characteristics. One of them was recognized as a new species, Candida vinaria and two as new varieties, Candida fimetaria var. diversa and Torulopsis var. obesa respectively. Other two strains were regarded as Candida parapsilosis var. intermedia and Candida guilliermondii var. membranaefaciens.
 These characteristics of the last two strains were slightly different from those of the standard descriptions of LaDDER and KREGER-VAN Ru2) but these differences are not enough to separate them from the species.
 In studing the characteristic of these yeasts to be described the properties were determined by the system of LODDER and KREGER-VAN RIJ ('52).2)  
「ブドウ酒発酵中における酵母の窒素代謝について (第1報) アミノ態窒素の消長」
Nitrogen Ⅳ etabolism during Fermentation in various vinification Processes
 Part 1. Fate of Amino Nitrogen
小原巌,加賀美元男,野々村英夫
Yuwa OHARA,Moto-OKAGAMI and Hideo NONOMURA
pp.7-17[PDF]
 1)果汁をあらかじめベントナイト等で処理した果解では全-Nの量が減少しているのが当然であるが,SO巳を加え湧き付きがおくれると,その間(約1週間)にアミノ態-N量がかなり増加した。  2)果醇において発酵中酵母により資化され減少するアミノ態-Nの量並びに再び酵母により分泌され増加する量は,酵母の増殖数とは殆んど無関係であり,酵母数 (n) の少ない場合及び酵母の増殖が除々に持続していた場合,返って多くなる傾向がある。  3)果汁をベントナイト或はゼラチン処理した場合並びに潟利塩と燐安を添加して発酵させた場合,明らかに酵母によるアミノ態-Nの資化並びに分泌量が増大した。
 Most of the Iite rature on nitrogen content of wine has deal twith the elimination of it from must as much as possible,because of the lower nitrogen content, the wine has greater stability.We have been considered, however, that the deficiency of nitrogenous substances especially amino nitrogen content in Japanese wines is one of the most noticeable difference between our products and the wines of world wide repute, and a suitable amount of amino nitrogen accumulated by either excretion or partial autolysis of yeast should responsible for the amiable flavor and much of the characters in palatability of the wines.  The purpose of this paper is to present a further consideration of the nitrogen metabolism of yeast during fermentation of the most previously treated with usual agents.  Experiments on the vinification practised during the past two years in our laboratory suggest that the differences between the amount of nitrogen remaining in must unassimilated(R) and excreted again(S) by yeast,seemed to indicate the activity of nitrogen metabolism of yeast, whereas these activity(S-R) was not linearly proportional to the yeast growth or yeast count(n). Moreover,the increase in excretion of amino nitrogen(i.e.(S-R)/n) was promoted by a steady growth in rather small yeast populations of the musts, which was either treated with bentonite or with gelatine and tannin,or prepared by adding magnesium sulfate and ammonium phosphate.  The occurrence of an appreciable increases in amount of aminonitrogen was also observed during the short period of settling and filtration of asulfited must before vigorous assimilation begans.  The possible importance of must treatments for stimulating the accumulation of 7 amino nitrogen in the most discussed.
「デザートワインの試醸成鏡 (第10報) シェリー酒 (その7) 濃縮果汁の添加と酵母の比較」
Report on the Experimental Production of Dessert Wines
 Prat10.Sherry (7) Experiments with the Addition of a Condensed Juice in Comparison with the Fermentation of ThreeFlor-typeYeasts
小原 巌,加賀美元男,野々村英夫
Yuwao OHARA,Moto-OKAGAMI and Hideo NONOMURA
pp.19-26[PDF]
 (1)シェリー酒の製造にDelawareの加熱濃縮果汁を甲州種の果汁に混和して原料とし, シェリー酒酵母としてJere2;-5,S.beticusおよび S.fermentaii 3株を使用し比較発酵試験を行った。
 (2)果汁の発酵状態はJerez-5および S.beticusの両者が良好であってS.feymentatiは非常に緩慢であった。
 (3)皮膜 (flor)の形成力はS.fermeniaiiが黄も弱くJerez-5 S.beiicusを比較すると前者の方がやや強い。
 (4)アルデヒドの生成は従来の諸研究と比較し遥かに少なかった,供試株中ではJerez-5が最も多いが永く貯蔵する間の増加率はS.fermeniatiが最も高い.
 (5)エステルの生成能は 3株共殆んど差が認められず,揮発酸,アミノ酸,金属イオン,灰分等は産膜によって消費され減少する筈であるが,試醸酒の分析結果では揮発酸とアミノ酸は貯蔵中生成され増加しているので,これらの点から酵母の優劣を判定することはできない。
 (6)試醸酒の酒質をも考慮に入れ供試酵母の中ではJerez-5が最も有望である。
「ブドウ果醪の加熱処理効果について (第1報)高熱処理した果汁の仕込み試験」
The Effect of Thermal Treatments of Musts on the Quality of Wines  Part 1.Experimental Fermentation of the Must Treated with High Temperature
櫛田忠衛
Tadao KUSHIDA
pp27-31[PDF]
 甲州ブドウの果汁醪を80˚;150˚;158℃にそれぞれ加熱して放冷後,常法に従ってブドウ酒を醸造し,対照と比較検討した。80℃に加熱したものでは,果汁中の酵素作用と加熱による成分変化がわずかに認められ,発酵は促進されて,普通の生ブドウ酒とはタイプの違った酒を生ずる。150℃に加熱したものは加熱による成分変化が甚しく,発酵が阻害されて、(158℃,40分間加熟した果汁では酵母を多量に加えても全然発酵がおこらない)生成酒は着色がひどく,苦味があってそのままでは飲用にならないと判定された。
「ブドウ果醪の加熱処理効果について (第2報)加熱処理温度をことにした果汁の比較醸造」
The Effect of Thermal Treatments of Musts on the Quality of Wines
 Part 2. Comparative production of the white wine with a must baked at various temperature
櫛田忠衛,丸山智章
Tadao KUSHIDA,Chiaki MARUYAMA
pp. 33-36[PDF]
 甲州種ブドウの果汁醪を20L宛40-70℃に1時間加熱,放冷後常法に従い醸造したブドウ酒の成分及び品質を対照と比較検討して次の結果を得た。
 1) 加熱区はすべて発酵が促進されて,生成酒の糖分が少なく,酒精が増加し,またpHが上昇することなど既報の通りであるが,アルデヒド含量が非常に少ないことが新たに観察された。
 2) 加熱温度が60℃以下の場合には,酢酸などの含量がいく分増加し,全窒素がわずかに減少するので,加熱中における果汁中の酵素作用の他に微生物の増殖作用があることが考えられる。
 3) 加熱温度が70℃の場合には,原果汁中の酵素作用のみが考えられて,前報の80℃処理の場合と殆んど同様な結果が得られる。
 4) 加熱醇から醸造したブトリ酒の利き酒結果は,40-50℃処理のものは無処理のものと殆んど区別なく,70℃のものはいくらか透明度が悪く,成績が劣ったが,風味の判定は更に研究を要する問題である。
「本邦産ブドウ酒の酸味調節に関する研究 (第1報) 甲州種ブドウ果醇の除酸について(補遺)」
Studies on the Deacidification of Japanese Grape Musts and Wines
 Part 1.On the Chemical Deacidification of Koshu-grape Must(Supplement to last paper)
櫛田忠衛,丸山智幸
Tadae KusHIDA and Chiaki MARUYAMA
pp. 37-40[PDF]
 1958年産甲州種ブドウの果汁醪に沈降性炭酸石灰を添加して醸造し,生成酒の品質を対照と比較検討して次の結果を得た。
 生成酒の分変化は既報の事実の他に,揮発酸の生成量が少ないこと,pHの上昇割合は1g/Lの除酸によって大体0.12g/Lの除酸では多過ぎ,ブドウ酒の香味を害するが,1g/Lの除酸では無処理のもより品質が良好になることなどを認めた.
 従って甲州種ブドウの場合には果汁の総酸分に関係なく,除酸量は遊離の酒石酸を中和する程度(炭酸石灰で果汁11当り0.6g)の添加にとどめることによって酒質の改良が期待できるものとする。
「本邦産ブドウ酒の酸味調節に関する研究 (第3報)除酸ブドウ酒の火入れ及び貯蔵中における成分変化」  
Studies on the Deacidification of Japanese Grape Musts and Wines
 Part 3.Chemical Changes in the Constituents of Deacidified Wine in the Process of Pasteurization and Aging
櫛田忠衛,丸山智章
Tadae KUsHIDA and ChiakiM ARUYAMA
pp. 41-46[PDF]
 以上の結果より,ブドウ酒貯蔵中の成分変化として,既に知られているように,酒精分 は仕込後1年間位はまだわずかに増加して行き,エキス,糖分,絵酸などは次第に減少 し, 揮発酸は増加し,pHは上昇し, また全窒素と蛋白態窒素が次第に増加することなどが考えられる。
 醪で除酸をしたブドウ酒は発酵が促進されたので,貯蔵の初期にはまだ酒精分が無処理のものに比較して多いが,約1カ年の貯蔵中にその差は次第になくなるもののようである。しかしエキスや糖分の差はずっと後まで残る。全窒素と除酸との関係は不明であるが,蛋白態窒素は除酸の多いもの程引続きその量を増加する。除酸ブドウ酒の貯蔵中最大の変化はマロラクチック発酵が進行しやすいことで,この発酵によってリンゴ酸が分解して乳酸を生成し, この結果総酸が減少し・揮発酸が増加し,また pHが上昇する。しかしマロラクチック発酵を起したブドウ酒は引続き貯蔵すると揮発酸が増加しやすいので注意を要する。
 火入れの効果はブドウ酒中の微生物の活動を抑え,糖分の減少や揮発酸の生成を防ぎ,酒石の析出を促進させて絵酸を減少させることなどである。除酸処理の酒は一般に火入れの効果が著るしく,特に中性酒石酸カリウムを添加した酒は酒石の析出が充分進んでいないために,総酸の減少とpHの上昇が顕著である。 また火入れによる着色度の増加は除酸量の多い酒ほど非常に高くなる。
 ポリ燐酸塩添加の影響は特にエキスや総酸の増加とpHの上昇を起し,また火入れによる着色を防止することである。
「ソーテルヌ等低酒精分の甘味ブドウ酒の試醸」
Report on the Experimental Production of a Sweet Table Wine of a Sauternes Type
楠田忠衛,丸山智章
Tadae KUSHIDA and Chiaki MARUYAMA
pp. 47-51[PDF]
 いろいろ甘味を残す方法を変えて,いわゆるソーテルヌタイプのブドウ酒を試醸した。原料には1959年産の甲州種ブドウの圧搾汁を使用した。原料醇を常法の通り補糖し,発酵させて,液がBrix60(屈折計では12.5℃になった時,火入れ (65℃,10分間),冷却 (6-7℃,1週間)炉過などで発酵を抑制し,またこれらの処理したものに防腐剤(サリチル酸,パラオキシ安息香酸ブチル, メタカリ,デハイドロ酢酸ソーダ)を加えて醸造した。試醸酒は2g瓶に詰めて6カ月貯蔵後化学分析と利き酒によってその品質を調べ,醸造酒との関係に就て検討し,次の諸結果を得た。
 1)発酵を中途で抑制しないものは糖分が喰い切られてしまった。しかし上記の如く処理したものはすべて酒精分10~11°,糖分5-6%で,所期の甘味ブドウ酒を醸造することができた。
 2) 冷却炉過したものは火入れ殺菌したものより透明度がよくて風味もよい。しかし冷却中及び炉過貯蔵中にも発酵がわずかに進むことが観察された。
 3) 火入れしたものは一般に着色度が増し、透明度が落ちるがコクが増加する。成分的には比重,エキス (糖分以外の),糖分,全窒素等が増加し,pHが高くなる。 なおアルデヒド,揮発酸が増加し,総酸が減少する傾向があらわれた。
 4) 冷却炉過して防腐剤を添加したものは発酵を防止することができた。使用した防腐剤の効力を残糖量より判断すると,サリチル酸が最も有力で,パラオキシ安息香酸ブチルがこれに次ぎ, メタカリが最も劣った。
 5) 使用した防腐剤の酒質に与える影響を分析結果より判断すると一般にエキスと着色酌増加 (メタカ化減少)させる他に各防腐剤によって分析値に多少の変動を与える。 しかし利き酒の結果では風味に大して影響しない。強いて区別すれば,一般にどの防腐剤も多少風味を害するが, メタカリは亜硫酸の臭気を与えて一番成績が悪く,デハイドロ酢酸ソーダは一番くせがなかった。
「酒類の加熱処理について (第1報)添加物その他の条件の処理効果に対する影響」
Report on the Thermal Treatment of Alcoholic Bevelages
Part1.Certain Factors Influencing the Effect of Treatment
村木弘行,四条徳崇,多田靖次
Hiloyuki MURAKI,Noritaka SHIJOand Seiji TADA 
pp.53-60[PDF]
 赤ブドウ酒に加熱処理を加えてTawny port タイプの甘味酒を製造する場合に添加物その他の条件の影響を検討して次の結果を得た。
 1 )Cu⁺⁺, Fe⁺⁺,Mn⁺⁺の添加(20ppm)は好結果を与える。特にFe⁺⁺はすぐれている。
 2 )加熱前にショ糖(12%)を加えておくと通常の場合と異なる香りではあるが,強い香りの良品が得られる。
 3 )アルデヒドを加えてアセタールを生成せしめる試みは不成功であった。
 4 )アミノ酸が加熱中に酸化分解されることは確実であるが,アミノ酸添加によって香気を生成させるためには加えるアミノ酸の種類をえらぶ必要がある。
 5 )処理温度は40℃よりも60℃の方がすぐれている。
 6 )製品を増醸する場合には,加熱処理は増醸前に行なうよりも増醸後に行なった方が酒質はややすぐれているようであるが,大差はない。
「酒類の加熱処理について (第2報) ベーキングシェリー酒の酒質に及ぼす原酒 カモシ日数の影響」
Report on the Thermal Treatment of Alcoholic Beverages
 Part 2. 0n the Length of the Prefermentation on Skins of the Baking-Sherry Material Wine
村木弘行,四条徳崇,大塚謙一,増田博
Hiroyuki MURAKI, Noritaka SHIJO, Ken-ichi OTSUKA, Hiroshi MASUDA
pp.61-64[PDF]
 カモシ日数の異なる白ブドウ酒を原料としてベーキングシェリー酒を製造し,その酒を検討 して次の結果を得た。
 1) カモシ日数は2- 3日間のものが最もよい製品を与え, これより長いものや短かいものは結果がよくなかった。
 2) カモシの長いものはベーキングによって,よ り多くのアルデヒドが生成し, また発酸は減少する。揮発エステルはカモシの長短による差が認められない。
 3) 着色度はカモシの長いものほど著るしい。原酒の色素,タンニンはいずれもベーキングによって減少するが,タンニンは原酒における量の多少にかかわらず製品におけるは大体一定の値となってしまう。これに対し色素は原酒に多ければ製品に残存する量も多い。
 4) 近紫外部吸光曲線はいずれも 320mμ附近の吸収の極大が加熱によって消失する。
「酒類の加熱処理について (第3報)種々の酒煩に対する加熱処理の効果」
Report on theThermal Treatment of Alcoholic Beverages
 Part 3. Effect of theThermal Treatment on Various AIcoholic Beverages
村木弘行,四条徳崇,渡辺治子,和田美恵子
Hiroyuki MURAKI ,Noritaka SHIJO, Haruko WATANABE, and Mieko WADA 
pp. 65-68[PDF]
 梅酒, 日本酒,およびブランデーに対して加熱処理を適用し,次の結果を得た。
 1) 梅酒の加熱処理は変わったタイプの良好味の甘味酒を与える。特にブドウ酒との混合処産は好結果である。ただし梅酒のみではブドウ酒の場合のようなシェリー類似香はわずかしか感じられない。
 2) 日本酒は加熱処理によってミリンに類似したような香りを生じる。 タンニン酸を添加して処理するとこの傾向は強くなる。合成酒は清酒ほど香りが変化しない。
 3) ブランデーに対する加熱処理は,原酒の樽詰めの有無にかかわらずほとんど香りの変化を生じない。棒材の木片を添加したものも,わずかに木香が附与されるに止まる。
 4) いずれの場合もブドウ酒のようなシェリー類似香はあまり発生しない。 したがってこの香りの発生のためにはブドウ酒に特異な,あるいは特に多い成分が必要と思われる。 またブドウ酒の蒸溜成分や,椿から浸出される成分は,それだけではこの香りの発生要因とはなり得ない。
 5) 梅酒, ブランデーの加熱処理による一般分析値の変化を示した。
「酒類の加熱処理について (第4報)アルコール添加果汁の加熱処理による甘味酒の製造」
Report on the Thermal Treatment of AIcoholic Beverages
 Part 4.Thermal Treatment of Unfermented Fruit Juices
村木弘行,四条徳崇,和田美恵子,渡辺治子
Hiroyuki MURAKI,Noritaka SHIJO,Mieko WADA, and Haluko WATANABE
pp.69-72[PDF]
 ブドウ,リンゴおよびミカンの果汁にアルコールを添加して加熱処理を行ない,次の結果を得た。
 1) ブドウ果汁は加熱処理によってrancioflavor類似香の生成が感じられるがリンゴやミカンではあまり感じられない。
 2) したがってこの香りの生成のためにはブドウ黒に特異な,あるいは特に多い成分を必要とすると思われる。
 3) またこの成分はブドウ酒のみではなくブドウ果汁の中にすでに存在するもので,必ずしも果汁の発酵を必要としない。
 4) 利き酒成績はブドウが最もよく,以下ミカン,リンゴの順である。特にブドウは好成績で,果汁の加熱処理は甘味酒製造のすぐれた一方法であり得る。
「酒類の加熱処理について (第5報) 炭素電極を用いる交流電流による加熱の試み」
Report on the Thermal Treatment of Alcoholic Beverages
 Part5. Heating by Alternating Current with Carbon Electrodes
四条徳崇,和田美恵子,村木弘行  
Noritaka SHiJO,Mieko WADA,and Hiroyuki MURAKI 
pp.73-76[PDF]
 酒類の加熱処理法として,原料自身に炭素電極をさしこんで交流電溝を通じて加温する方法を, アルコール添加ブドウ果汁について試みて次の結果を得た。
 1) 電流加熱法は湯浴加熱法に比べて蒸発量が大きく,着色度が高く,タンニンの減少量が少ない。
 2) したがって電流が処理中の化学変化に影響を与えている可能性がある。
 3) しかし製品の利き酒結果は加熱法による差はほとんどなく,電流通過の影響は感能上ではあまり認められない。
「簡単なソレラ ・システムによるシェリー酒の試醸」
Experimental Production of Sherry Wine by a Simple Laboratory Scale Solera System
村木弘行,四条徳崇,和 田美恵子
Hiroyuki MURAKI,Noritaka SHIJO,and Mieko WADA 
pp.77-80[PDF]
 スペインにおけるソレラ・システムの方法を応用してシェリ一酒の試醸を行なった。その結果,放置貯蔵した場合のように貯蔵第二年次以降に酒質が劣化することがないのを認めた。
「腐敗現象に関する基礎的研究」
Fundamental Studies on the Putrefactive Process of Protides
中山大樹
Oki NAKAYAMA 
pp.81-97[PDF]
 実験の結果,次のような条件の下では典型的な腐敗が起きないことがわかった。
 1) プロチドの量にくらべて,ある程度以上の量の易発酵性糖類が共存するとき。
 2) 腐敗能力ある微生物,更らに正確には酵素群が存在しないとき。
 3) プロチドの種類が適当な条件を充たしていないとき。例えばグルタミン酸,尿素, 酵母菌体,特別なカゼイン誘導体等がプロチドの主要な給源をなしているとき。 以上と逆の場合,即ち強い変性を受けない動物蛋白質と腐敗菌が存在し,多量の糖が共存しなければ典型的な腐敗がおこり得る。
 典型的な腐敗の度合はアミンの生成量や, いわゆるVRS(VolatileReducingSub stances)値とは全く平行せず, 酸性でエーテルに転落するフラクションに腐敗臭の主要部分があり,その一部はメルカプタンらしい。
 以上の実験結果にもとづいて腐敗現象の本質,殺菌によらない新らしい防腐法等について論じた。
pp.99-101[PDF]
「ブドウ種醸造におけるポリ燐酸塩の利用について」
[農産技研雑誌 7,209(1960)]
The Use of Poly-phosphate in Wine-making. (j.Utiliz. Agr.Prod.,7,206(1960)
櫛田忠衛,丸山智章
Tadao KUSHIDA,Chiaki MARUYAMA 
 市販のポリ燐酸塩(日本オルガノ商会のカルゴンFG)を使用して白ブドウ酒(甲州種) を比較醸造し,また赤ブドウ酒(Muscat Bailey A) に添加して貯蔵試験を実施し次の結果を得た。
 1) ポリ燐酸塩の 緩衝作用によって酒液のpH が上昇される。その結果,0.3% のカルゴン添加によって果の主発酵は促進され、またブドウ酒の熟成に関係深いマロラクチック発酵が刺激されて、酒質によい変化を与える。
2) ポリ燐酸塩の酒石析出防止作用によって,酒中に残存する酒石量が多くなり、エキスと総酸の多いブドウ酒がつくられる。また透明な赤ブドウ酒に0.1%のカルゴンを添加して貯蔵する場合には酒石の析出を完全に防止できるが、一方蛋白質様の沈澱を増加する傾向がある。
 3) ポリ燐酸塩を添加したブドウ酒の色調は白酒では濃くなり、赤酒では淡くなり、風味は一般に酸味の温和な、コクのあるものとなる。 この際香気の変化は殆んど認められない。
「土壌中における放線菌の分布
(第4報)Micobispora属の分離及び分類
(第5報)Streptosporangium属の分離及び分類」
Distribution of Actinomycetes in the oil(Ⅳ-Ⅴ)
The Genus Microbispora and the Genus Streptorangium,
[J Ferm, Tech, Hapan,38,401;405(19960)]
野々村英夫,小原巌
Hideo NONOMURA and Yuwao OHARA 
 Actinomycetes belonging to the genus Microbispora Nonomura et Ohara (syn. Waksmania Lechevalier et Lechevalier), and the genus Streptosporangium Couch were isolated from the soils of various places in Japan.
山梨大学大学院 総合研究部附属 ワイン科学研究センター
The Institute of Enology and Viticulture, University of Yamanashi
所在地:〒400-0005 山梨県甲府市北新1丁目13-1

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