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ワイン科学研究センター主催セミナーEVENT



山梨大学国際ブドウ・ワインセミナー ワインテイスティング講座
Vinifera プロジェクトマネージャー・フランスモンペリエ SupAgro
パトリス・ラルマン氏 Dr.Patrice LALLEMAND

【2018年8月10日】
 山梨大学ワイン科学研究センターにてフランスモンペリエより Patrice LALLEMAND氏(Vinifera プロジェクトマネージャー・SupAgro)をお招きし、テロワールについて講義をしていただくとともに、実際にワインを使って土地の違いなどを体感するテイスティング講座を開催致しました。講義では、果物の成熟、ワインの分類とテロワールの定義、ブドウ品種、気候、ワイン作りの伝統、ラングドック地方のワインの歴史、フランス産地呼称の分類、ブルゴーニュワインについて等をお話いただき、ブルゴーニュワイン 4種類を解説していただきながら学生、社会人合わせて40人ほどがテイスティングを行いました。

 【概要】
 "The cultural Heritage of the wines of Terroir "
・果実の成熟度           果実の成熟度はワインのスタイルと製造工程(熟成法,マイクロオキシゲ
                  ネーション,MLF、補糖の有無など)により決定すべきである。


・ワインの分類とテロワールの定義  テロワールの初期の定義は「気候や土壌,水など,与えられた土地における
                  相互的な生態系」である(Seguin1988)。「テロワールの概念があるワイ
                  ン」と「ブランドによるワイン」がある。

・ぶどう品種            1番目の要因は品種。Vitis Viniferaでは2300種。品種により高温に適しているもの(Mourvedre等)や低温に適している品種(Pinot noir等)がある。

・気候               2番目の要因は気候。ブドウ栽培に適した気温は年平均気温が10℃~20℃の地域。北緯30度~50度、南緯30度~40度のあたりが適している。

・ワイン作りの伝統         3番目の要因は人類の伝統。ブドウ畑での工夫として,川面の光の反射の利用(モーゼル)、スペインLanzarote島での独特な栽培法などがある。製造現場でも様々な工夫がある。

・ラングドック地方の歴史      歴史的背景も重要。例えばラングドック地方ではブドウは紀元前600年頃ギリシア伝来、イタリアワインとの競合,イスラム教徒の台頭,運河によるボルドーへの輸送,シトー会の僧侶の貢献,鉄道の開通,フィロキセラによる害,低品質ワインとの戦いなどもテロワールに大きな影響を与えた。

・近年のテロワールの定義      「地域の特有性であり、人々が、長い歴史の中で自然環境と人的要因を相互作用させ、文化的特長、ノウハウ、実践の組み合わせが発展させてきたもの」と解釈できる。

・フランスの産地呼称の分類     AOPIGP等により地域を分類し保護する政策がEU内で行われている。  AOPで保護される地域は330に及ぶ。それぞれ厳しい制限を作ることで,品質保持に努めている。

・ブルゴーニュのテロワール    丘陵と河川、村がある場所などにより、1111年からの長い歴史の中で分類さ
                 れてきた。品種は白がChardonnay,赤はPinot noirであり,比較しやすい。
 


     
   
   

山梨大学国際ブドウ・ワインセミナー     
フランス ボルドー大学 醸造学部 
ジル・ド・ルベル教授
Prof.Gilles de REVEL

【2018年7月20日】
 今年で13回目となるボルドー大学よりジル・ド・ルベル教授をお招きし、
非ビニフェラ系ハイブリットに対するフランスの関心~今後のブドウ栽培への最新の挑戦
"
Frances new interest in non-Vitis vinifera hybrids; a step back or the latest challenge for the future of viticulture? "」について講演していただきました。
当日は岡山、長野、山形、東京、沖縄、栃木、愛知等、日本各地からお集まりいただき、140名以上の方々に参加していただきました。
   
   
 会場:大村智学術記念館
【概要】
非ビニフェラ系ハイブリットに対するフランスの関心~今後のブドウ栽培への最新の挑戦
"
Frances new interest in non-Vitis vinifera hybrids; a step back or the latest challenge for the future of viticulture? "
 1. フランスでのブドウ栽培と減農薬への流れ
2009年のEcophyto計画に従い,農薬を大幅に減らす計画である。フランスにおいてブドウ産業は大きく,多量の農薬(殺菌剤,殺虫剤,除草剤など)を使用している。栽培における最適化により30%,抵抗品種を作出できれば75%の農薬を減らせる可能性がある。

2. ハイブリッドの作出の必要性
フランスではほとんどすべてのワイン用ブドウがVitis viniferaであり,ベト病やウドンコ病に対する抵抗性が無い。そこで病害抵抗性を持つ野生ブドウなどの交配で新品種を作ることが行われている。この場合,ワインの品質が受け入れられることが重要である。2020-2050年までに3050種類の新品種を作る予定である。これらの品種を受け入れるには様々な議論があるが,現在使われている品種も歴史が長いわけではない。

3. フランスでのハイブリッドの歴史
フィロキセラへの対応品種を作るため,アメリカ系品種とのハイブリットは一時期40 haもあったが,接木法が開発されたことで,これは5000 haまで減った。しかし,遺伝資源として抵抗性品種について情報を収集する必要が高まっている。地方色を持った抵抗性品種の作出も今後重要になる。

4. ワインと官能品質の重要性
交雑によりワインの品質が下がっては困るので,農学・環境生理学・植物病理学・醸造学・官能学など多くの分野からの研究が必要である。非Vinifera種の特徴でもあるFoxyフレーバー,フラネオール(Viniferaにも存在),アントシアニンやタンニンの違いなどを考慮する必要がある。

5. 抵抗性品種の今後の可能性
農薬低減,気候への対応,ワイン品質,地方色の尊重,グランヴァンの存続・価値創造・法律の改変など多くの課題がある。山梨大や京都大も参画しているOenoviti Internationalの加盟国など,多くの国で抵抗性品種の作出に向けた努力が行われている。従って,作出のスピードは速い。しかし,それからできるワインの品質について毎回評価する必要がある。地方性も考え,多くの遺伝資源について基礎データの情報交換が重要である。

6. 日本の課題と展望
現在の日本のハイブリットは,ワインにした場合,非Viniferaの特徴が強く,西洋人の消費者には評価が低い。和食との組合せについても理解されていない。日本はハイブリットにおいては進んでいる。ボルドー大や山梨大,他の研究機関との共同研究により知見を共有することが重要である。Oenoviti Internationalの活用も有用である。


山梨大学国際ブドウ・ワインセミナー     
ポルトガル ポルト大学 薬学部 微生物研究室
ミゲル・カブラル教授 Prof.Miguel CABRAL

【2018年3月13日】
 山梨大学にてポルトガル ポルト大学薬学部微生物研究室 Miguel Cabral教授をお招きし、
「コルク栓および他のクロージャ―の最新研究の動向」 ”Lead cork buisness through R&D and innovation"について講演していただきました。
   ・コルク栓の問題点
   ・コルク栓の成分
   ・ワイン成分とコルクとの反応
   ・TCAを低減させるための最新技術

 などについて講演していただき、当日は50名以上の方々にご参加いただきました。
   

山梨大学国際ブドウ・ワインセミナー      
フランス モンペリエ SupAgro 
ブルーノ・ブロンドン教授 Prof.Bruno BLONDIN

【2018年3月1日】
 山梨大学にてフランス モンペリエ SupAgroよりBruno Blondin教授をお招きし、
「ワイン用酵母のバイオテクノオジーとアルコール発酵管理」"Wine yeasts biotechnology and alcoholic fermentation managemant"について講演していただきました。

「ワイン用酵母のバイオテクノオジーとアルコール発酵管理」
 "Wine yeasts biotechnology and alcoholic fermentation managemant"
  ・ワイン用酵母に与える窒素や脂質の影響
  ・酵母細胞の細胞死
  ・亜硫酸低生産酵母の育種
などについて実験結果をまとめた報告がありました。

当日は50名以上の方々にご参加いただきました。
 

第29回山梨大学ワインセミナー       

【2017年10月21日】
 東京 フクラシア品川クリスタルスクエアにて山梨大学教員と山梨県産業技術センター甲府技術支援センターワイン技術部長によるワインセミナーを開催致しました。10回以上を数えるこのセミナーには台風の影響による雨にもかかわらず、100名近くの方にご参加いただき、福島、茨城からもお越しいただきました。
「ブドウ栽培と自然環境」「ワインの美味しさは測れるのか」「山梨のワイン」について講演し、最後に松本 信彦氏による解説付きのワインテイスティングも行われました。
 
 
 
          松本様 
 
講師の先生方 左から恩田様 斉藤先生 山下先生

ワイン・フロンティアリーダー養成プログラム
山梨大学国際ブドウ・ワインセミナー      
ボルドー大学 醸造学部 
ジル・ド・ルベル教授
Prof. Gilles de REVEL

【2017年7月26日】
 今年で12回目となりますが、ボルドー大学よりジル・ド・ルベル教授をお招きし、
「亜硫酸~ワイン製造におけるその役割に関するアイデア」”SO2, some ideas on its role in oenology"について講演していただきました。
多くのワインに添加されている亜硫酸について、その重要性や役割、亜硫酸を減らす方法、また亜硫酸無添加ワインの展望について講演していただきました。

当日は北海道、新潟、栃木、茨城、福島、長野、東京等、日本各地からお集まりいただき、134名の方々にご参加いただきました。
   
   

山梨大学国際ブドウ・ワインセミナー      
スロベニア リュブリャナ大学 
マリン・ベロヴィッチ教授 Prof.Marin BEROVIC

【2017年7月6日】
 山梨大学にてスロベニア リュブリャナ大学よりMarin Berovic教授をお招きし、
「ワインテクノロジーとプロセス工学における新しい技術」"new Aspects in Wine Technology and Process Engineering"について講演していただきました。

1.酸化還元電位による酵母のモニター
2.ワイン発酵温度とヒートショックによるグリセロールの生成
3.電気刺激によるワインの変化
4.磁化酵母とスパークリングワインへの応用
5.新しいセンさー技術
6.スロベニアのブドウ品種、マルバジアとリボラについて

当日は70名以上の方々にご参加いただきました。
   

山梨大学国際ブドウ・ワインセミナー      
フランス モンペリエ SupAgro 
ローラン・トレグロサ教授 Prof. Laurent TORREGROSA

【2017年6月7日】
 山梨大学にてフランス SupAgroよりLaurent Torregrosa 教授をお招きし、
「温暖化とブドウ(ブドウの生理と温暖化に対する応答)」 “Grapevine physiology & development in response to warming” について講演していただきました。
温暖化対策については聴講者の関心も高いようで、当日は110名程にご参加いただき、盛況のうちに終えることができました。

1.ブドウの生理に与える温度の影響【栄養器官(葉・茎・根)/果実)】
2.栽培方法の変更【早期収穫/光合成効率とシンク・ソース/微機構/植物気候学的解析】
3.遺伝的改良と選抜【台木の適応性/品種選抜】
   
【概要】

1.       【ブドウの生理に与える温度の影響】 
 今後世界全体の平均気温が上昇すると予想されるが、空気中の二酸化酸素濃度も増加している。光合成により生成された炭素がブドウ果実の主成分である。
光合成で得た炭素は多くを1次代謝(糖分、有機酸など)に利用し、わずかな残りを2次代謝(果皮の色素、香気成分前駆体の生成)に使用する。光合成により生成した炭素を消費するブドウ樹の呼吸(光呼吸と夜の呼吸)は「温度」の影響を受ける。従って、光合成と呼吸のバランスを考える必要がある。

   2.       【栽培方法の変更】

温暖化により今まで以上に光合成が活発化し糖の蓄積量が過剰になる為、地中海周辺等温暖な気候の地域では糖濃度を下げるための栽培方法を試みている。例として、早期収穫、除葉、網・カバーによる遮光、蒸散抑制スプレーの散布、キャノピーシステムの変更(最小剪定)、遅い時期での剪定、台木の選択の工夫などがある。

3    【遺伝的改良と選抜】
  台木の適応性を求め、温暖化に適応できる品種の開発が行われている。これまでよりも高い積算温度が 必要な晩生の品種開発と品種選抜が必要である。

4.       【まとめ】
  ワインのアルコール濃度を下げることは今後も挑戦であり、いくつかの栽培技術による問題解決の可能 性がある。また、ブドウにも適応性があり(補償応答)、糖度が低いブドウでは適切なポリフェノール/ アロマが無い可能性がある。実験は一義的で普遍的な結果ではないが良い結果を出すにはいくつかのアプ ローチを組み合わせる必要がある。最も時間がかかるが有効な方法は新品種開発である。




山梨大学ワイン科学情報共有事務局

山梨大学大学院附属
ワイン科学研究センター内

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